「みんなできているんだから、そろそろうちもやらせないと…」
子育てをしていると、そんな言葉を耳にすることがあります。
でも、何度やってもできない姿を見ていると、「努力」や「やる気」の問題なのか、分からなくなることもあります。
私が娘の成長を見ていて実感したのは、
できる・できないの前に、その行動に入るための“準備”がある
ということです。
今回は、レディネス(readiness)という考え方を、わが家の体験を交えながらお話しします。
レディネスとは「できるようになるための準備が整った状態」
レディネスとは、簡単に言うと
その行動を身につけるための準備が整っている状態
のことです。
年齢や知識や練習量だけでは測れない、体・感覚・気持ち・環境など、いろいろな要素が関係しています。
その準備が整っていない状態では、いくら練習を重ねてもうまく身につかないことがあるんです。
できない期間にも、成長は水面下で進んでいる
娘の成長は、いつも階段状です。
少しずつ上達するというより、
長い間できないまま過ごして、ある日突然ぽーんとできる
ということが本当によくあります。
ボール投げもそうでした。
長い間下からしか投げられなかったのに、ある日突然とてもきれいに上から投げられるようになりました。
できない期間が長いからといって、何も育っていないわけではない。
そう感じる場面が何度もありました。
縄跳びができる前に起きていたこと
縄跳びも、同じような成長の仕方でした。
縄跳びは一見単純に見えますが、実は
- 縄を回す
- 縄を目で追う
- その場で跳ぶ
と、いくつもの要素が同時に必要になります。
クラスの子が上手に跳ぶ中、娘は「できない、できない」と言っていました。
そんな中、療育の先生が取り入れてくれたのが、
縄を蛇のようにクネクネ動かし、それを跳び越える遊びでした。
なぜ蛇のように動かしたのか、正直なところ詳しい理由は分かりません。
見えやすかったからなのか、「へびだぞ〜」と遊びながら取り組めるからなのか。
結果的に、ここから数週間で、娘の縄跳びは格段に上達しました。

私では思いつかない方法です
形だけできても、使えなければ意味がない
「もうみんなできてるから、あなたもやりなさい」
と急がせたり、形だけなんとなくできるようにさせたくなることってありませんか?
でも、その動きを実際の遊びや生活の中で使おうとすると、やっぱりできていない…ということも少なくありません。
これは子どもだけの話ではありません。
大人でも「分かったふり」「できるふり」をして、後から困ってしまうことはあります。

やっぱりあの時「できない」って言っとけばよかった…みたいなこと、ありますよね
そう考えると、できないものはできないし、できるようになるには段階を踏みたい。
これは大人も子供も同じなんだと思います。
だから私は「何から始めるか」を考えるようになった
娘に何かを身につけてほしいと思ったとき、私はなるべく「どうやって教えるか」よりも、
「その前に、何が必要か」
を考えるようにしています。
そして、自分だけで判断せず、作業療法・言語療法・療育など、それぞれの専門家に相談しています。
療育や支援は、「できないことをできるようにする場所」ではなく、
できるようになるための準備を整える場所
でもあります。
療育の先生たちも、ちゃんと日々それを意識して接してくれています。
どんなことから取り組んだらいいか分からないときは、ぜひ相談してみてください。
今は「準備中」なだけかもしれない
今できていないことがあっても、それは能力が足りないからではなく、
まだ準備が整っていないだけ
かもしれません。
焦らなくていい。
比べなくていい。
水面下で準備が整ったとき、子どもは驚くほど自然に前に進むことがあります。
「できる・できない」ではなく、
「今はどんな準備をしている時期なのか」
そんな視点で段階を追って支援していくことは、遠回りのようで実は近道なんじゃないかと、私は思っています。

無理せず基礎から順番に。周りと比べるよりも自分の子供の「今」を見ていきましょう。


