「手先を器用にしてもらいたいのに遊んでばかり…」
作業療法に通い始めたころ、私もそう感じていました。
もし同じように感じている方がいたら、ぜひ知ってもらいたいことがあります。
実は、その「遊び」にこそ、お子さんの成長を大きく後押しする大切な意味が隠されているんです。
今回は、一見遠回りに見える作業療法のプログラムが、なぜお子さんの「できる」を確実に育んでくれるのか、その理由を一緒に見ていきましょう。
手先を動かすには、その土台となる力が必要不可欠
手先を上手に使う「微細運動」は、実は身体全体の土台がしっかりしているからこそ成り立つものなんです。
例えば、机に座って絵を描くことを想像してみてください。
この時、私たちは無意識のうちに姿勢を保ち、体全体のバランスを取っていますよね。
もし、体がぐらぐらしていたら、どんなに頑張っても手元に集中することは難しいはずです。
これが、作業療法がまず「遊び」から始める理由です。
こうした遊びは、体幹やバランス感覚を育み、微細運動を行うための安定した「土台」を作ってくれます。
だから、手先が不器用に見えても、まずはお子さんの体の使い方や姿勢をじっくり観察し、体全体を動かす遊びを通じて、土台からしっかりと育んでいくことが大切なのです。
物事の習得には、正しい「発達の順序」がある
お子さんの成長には、「発達の順序」というものがあります。
これは、赤ちゃんが首がすわってから寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち…とステップを踏んでいくのと同じように、運動能力の習得にも一定の順番があるということです。
一般的に、人間の運動能力は、身体の中心に近い部分(体幹や肩)から、指先や足先といった末端に向かって発達していくと言われています。
つまり、手先を器用に動かす(微細運動)よりも前に、身体全体を上手に動かす(粗大運動)力が育っている必要があるのです。
もし、発達の順序を無視して、いきなり難しい微細運動ばかりを無理にやらせてしまうと、お子さんは挫折感を味わい、自信をなくしてしまうかもしれません。
作業療法士さんは、この発達の順序を熟知しています。
だからこそ、お子さんの発達段階に合わせて、その子に本当に必要なステップを計画してくれるのです。
ネットの情報だけで判断せず、専門家と向き合うことの大切さ
インターネットで「子どもの手先が不器用」と検索すると、たくさんの情報や具体的なトレーニング方法が見つかるかもしれません。
しかし、大切なのは、目の前のお子さんがなぜその動きを苦手としているのか、その根本的な原因を見つけることです。
それは、体幹の弱さかもしれませんし、感覚の偏りかもしれません。
この原因は、ネットの情報だけではなかなか判断できません。
お子さん一人ひとりの発達は個性が豊かで、複雑に絡み合っているからです。
だからこそ、不安や疑問を感じたら、ぜひ作業療法士さんに尋ねてみてください。
作業療法士さんは、お子さんの特性を専門的な視点から見て、なぜ今この遊びが必要なのかを丁寧に説明してくれます。

ただ遊んでいるわけではない
ちゃんと意味がある
と、まずは知って欲しいです。
見えない「土台」が、お子さんの未来をひらく
お子さんの「できる」を増やしていくには、正しい順序で、土台から着実に力を育んでいくことが何よりも大切です。
一見すると遠回りに思える作業療法の「遊び」は、決して無駄な時間ではありません。
それは、お子さんが未来に向かって力強く歩みだすための、大切な土台作りなのです。
お子さんの成長に不安を感じた時は、一人で抱え込むのはやめましょう。
世の中には、支援してくれる専門家や支援を受けられる施設が沢山あります。
お子さんの「未来」のために、お子さんの「今」と向き合ってみませんか?

作業療法に通ったことで、私は公園遊びの大切さも学びました。
プロに相談することで、支援の選択肢もどんどん増えていきますよ!


