「できるようになれば安心」
「できないと困るから、今のうちに」
子育てをしていると、どうしても「できる・できない」に目が向きがちです。
でも、できるようになったとしても、少しの失敗で崩れてしまうこともあります。
私が娘の姿を見ていて感じたのは、
できるようにすることと、折れにくくすることは別
だということでした。
今回は、レジリエンス(resilience)という考え方を、わが家の体験をもとにお話しします。
レジリエンスとは「折れない強さ」ではない
レジリエンスというと、
「強い心」
「打たれ強さ」
といったイメージを持たれがちです。
でも実際は、折れないことではなく、折れても戻ってこられることを指します。
失敗しない力ではなく、失敗したあとに立て直せる力。
それがレジリエンスです。
「できるようにする」だけでは足りない場面もある
できるようになることは、もちろん大切です。
でも、
そんな場面で一気に崩れてしまうと、「できるようになったこと」自体が、かえって重荷になることもあります。
だからこそ、できるようにするより先に、折れにくさを育てる視点が必要だと感じています。
1番になりたい気持ちは、悪いものじゃない
娘は一時期、「1番」にとても強いこだわりを見せていました。
1番になるためなら、不正をしたり、ルールを自分に都合よく変えてしまうこともありました。
私としては、1番になりたい気持ちそのものはあっていいと思っています。
それは目標を持つ力でもあるからです。
ただ、その気持ちが強すぎると、負けた瞬間に折れてしまうことがありました。
鬼ごっこで泣いてしまっていた頃
年長にもなると、周りの子もおかしいことは「おかしい」と主張できるようになります。
もちろん娘も、クラスメイトにそう指摘されましたし、実際そんな場面で泣いてしまうこともありました。
ある時、娘が鬼ごっこでタッチされて「今のはナシ!」とわがままマイルールを発動し、周りから指摘を受けて泣いてしまったという報告を受けました。
娘の中では、「負け=ダメ」という認識が強くなっていたのだと思います。

こんなことをしていたら、みんなから嫌われてしまう…
不安になった私は、このことを心理士さんに相談しました。
勝ち負けを変えるのではなく、楽しさを増やす
心理士さんからもらったアドバイスは、とてもシンプルでした。
逃げる=勝ち、になっているなら、捕まえる=それも楽しいを経験できればいい。
鬼ごっこは勝ち負けのゲームではないけれど、娘の中では
「逃げられた=勝ち」
「タッチされた=負け」
になっていました。
そこで、保育園の加配の先生とも相談し、鬼になったあと誰かをタッチできたら
「タッチできたじゃん。鬼も結構楽しいんだよ」
と声をかけてもらいました。
折れたあとに戻れる経験が、レジリエンスになる
ある日お迎えに行くと、加配の先生が
と報告をしてくれました。
これはチャンスだと思ったので、私は帰宅後娘に
そんな話を娘にしました。
この「戻れた経験」こそが、レジリエンスだと思っています。
折れにくさは、他の場面にも伝染していく
この経験以降、娘はほかの遊びで負けても
「ま、いっか。もう一回やろ!」
と言えるようになっていきました。
変なマイルールの押し付けもなくなり、勝つまでやるとかもなくなりました。
たまにそういうことを言い出しても、言葉で制することができるようになったんです。
折れても立て直せる感覚は、遊びやゲームの勝ち負け以外に、他の場面にも広がっていったようにも感じています。
レジリエンスは、一つ一つの成功で育つのではなく、失敗しても大丈夫だったという体験の積み重ねで育つものなのだと思います。
できるようにすることと、折れにくくすること
できるようにすることも、大切です。
でも、それだけでは足りない場面もあります。
また戻ってこられる。
また参加できる。
折れないようにするのではなく、しなやかにしなること。
そんな視点を、これからも大事にしていきたいと思っています。
大人になってからも、この「しなやかさ」は娘を助けてくれる気がしています。

この「しなやかさ」を、子育てだけじゃなく自分自身にも取り入れたいと思っています。

