発達のことで相談に行ったとき、
「そんなに心配しなくて大丈夫ですよ」
と言われて戸惑ったことはありませんか。
あるいは逆に、
「思ったより課題がありますね」
と言われてショックを受けたことはないでしょうか。
親と専門家で、見えているものが違う――
それは珍しいことではありません。
では、なぜそのズレは起きるのでしょうか。
親は“日常の連続”を見ている
親は毎日の細かな変化を積み重ねて見ています。
昨日できなかったこと。
今日できたこと。
朝はうまくいったのに、夕方は崩れたこと。
親は「わが子の物語」を見ています。
生活の流れ、感情の揺れ、家庭の空気。
だからこそ、小さな違和感にも気づけます。
でも同時に、毎日見ているからこそ、全体像が見えにくくなることもあります。
専門家は“発達の地図”を見ている
専門家は一人の子どもだけでなく、発達全体の流れを見ています。
専門家が見ているのは、「今」だけではありません。
その子の現在地が、発達の地図のどのあたりにあるのか。
そこを俯瞰して見ています。
これは、親とはまったく違う視点です。
ズレが起きるのは、優劣ではなく視点の違い
親の見方が間違いで、専門家が正しいという話ではありません。
親は“内側”から見ている。
専門家は“外側”から見ている。
内側から見えるものと、外側から見えるものは違います。
例えば、
親にとっては「最近すごく頑張っている」ことでも、
専門家から見ると「まだ土台づくりの段階」に見えることがあります。
逆に、
親が「遅れているかも」と不安に思っていても、
専門家から見ると「発達の幅の中」に収まっていることもあります。
このズレは、対立ではなく、“視点が増えるチャンス”です。

自分だけでは気づけなかったものが見えるようになるということです。
視点が増えると、判断が楽になる
一人で抱えていると、判断はどんどん重くなります。
発達のことは、
という特徴があります。
だからこそ、視点を増やすこと自体に意味があります。
専門家に相談することは、様々な点について決めてもらうことではなく、“地図を一緒に広げること”です。
👉 なぜ専門家に相談することが大切なのか
親と専門家は、役割が違う
親の役割は、安心できる土台をつくること。
専門家の役割は、発達の現在地を整理すること。
どちらも必要です。
どちらかが正しいのではなく、役割が違うだけ。
もし相談で戸惑いを感じたなら、

見えている場所が違うのかもしれない
と一度考えてみてください。
それだけで、相談という時間の意味が少し変わるかもしれません。

私は、相談に行く段階では「できていないところ」ばかり見ていました。
でも相談で「できているところ」を教えてもらい、それがとてもうれしくて。
そこから「できている部分をしっかり見ていこう」と思えるようになりました。

